怠惰はアイデアの進歩!

4/8
668人が本棚に入れています
本棚に追加
/276ページ
「うう、夕方まで徒歩か。きついな、自動車とかないのかな」 「自動車って、液体で走るあれか」 「あれ、クロウ知っているの? そういえばゲームとかも知っていたし、僕の世界に詳しいんだね」 「それは、まあ……それでその自動車か、イズミは運転できるのか?」 「うん、この前、免許を取ってきたばかりだよ!」  自信満々に告げるとクロウがどこか安堵したような表情で、 「よかった、ゲームで運転した事があるから運転できるよと言い出さなくて」 「それはギャグネタだと思われます。昔の」 「そうか……それで、作るのか?」 「え?」 「魔道具が作れるのだろう? それで自動車を……とは考えなかったのか?」  クロウに言われて僕ははっとした。  確かにこの世界の物以外にも僕の世界の物を、作れるように神様にしてもらったのだ。  つまり僕は今、この時、 「この前とった車の免許の力を開放する時!」 「……それは自信を持って言うことなのか」 「だってこの前、とれたばかりなんだ! 取るの結構大変だったし。でもこんな事が出来るなら、ついていたかも! えっと、自動車っと……“炎の魔法石”“風の魔法石”“大地の魔法石”“ミノタロ石”らしいです。有りますか?」 「俺は持っていないな、魔法石以外は」  クロウが僕に言う。  なので僕はすぐにリゼルに、 「リゼル、自動車を作りたいから、材料頂戴!」  それにリゼルは珍しく困ったような顔になり、 「……その“じどうしゃ”がどういうものか僕は分からないが、この武器も作ってもらったし、渡したいのは山々なんだけど……この前売ってしまった」 「え?」 「シオンは持っていたか?」 「私も全部売ってしまいましたね」 「ごめん、僕達は力になれないかも」
/276ページ

最初のコメントを投稿しよう!