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そんなこんなで、あっという間に……ではなかったけれど、自動車が走れる程度の山道だったのは良かった気がする。
お昼に近づけば近づくほど道には馬車などが時折走っていた。
個人所有の馬車で、荷物を主に運搬する大きな商店が所有しているものらしい。
時々人が乗っているのを見かけたが、交通用の馬車がストライキ中なので今が稼ぎどきなのだそうだ。
そういった話を聞きながら僕は自動車を走らせる。
土の剥き出しの道を僕たちは進んでいく。
通りすぎる人達は、物珍しいのかじっとこちらを見ており何だか恥ずかしい。
そんな風に進んでいくと山道に差し掛かる。
道がそこそこ人いのは良かったのだけれど、ガードレールがない。
しかも見下ろすと切り立った崖だ。
なんという恐ろしい場所と僕は思いながらそこを運転していき、段々と建物が密集した場所が見えてきて、すぐに木々の茂る森を抜けて街と畑を区切る場所にまで辿り着く。
街の中を自動車で移動するのもあれなので、その街の手前で僕達は降りる。
スマホを見ると、後3時間近く残っていたが、もう必要なかったので、
「元に戻れ―、でいいのかな?」
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