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「トゲ付き鉄球だ」 「……え? 」 「球に棘がついたもので、その一箇所に鎖がついていて振り回すという……」 「いや、知っているけれど……僕に最適な武器ってそれなの?」 「そうだぞ。次に相性が良いのは、メリケンサックだそうだ」 「……何でそんな何処かで悪役が使っていそうな武器なのかな?」 「小さくて可愛い子が凶悪な武器を扱うのが中二的に正義(じゃすてぃす)なんだろう。ああ、ちなみにその次に相性が良いのは大鎌だからな」  そんなもので決められてたまるかとか、何が小さくて可愛いだ、僕は大人だと思った。  けれど一応相性が良いと言われているトゲ付き鉄球を見に行く。  鉄球と言っても付加された魔力などで分けられて、複数種類置かれているのだが、 「な、なんだろう。この拒めないような魅力」 「それが相性というものだ。良かったな、いい武器が見つかって」 「く、で、でも僕はもっとこう、温厚な感じの武器がいいんだぁあああ」 「武器に温厚も何もないだろうが。夢を見るな夢を」 「く、正論なのが悔しい。でもやっぱりもっとこう、格好いい武器がいいんだ!」  そう僕が叫んだところで子供達が近くを走って行く。  こんな武器屋 に子どもと僕が思っていると、そこでその内の一人が飲み物を持っていて……ぶつかった。 「うわぁあああああ」  悲鳴を上げる僕に、この武器屋の奥から女の人がやってきて、 「すみません、ああ、お召し物が……洗濯しますのでこちらに来ていただけますか?」  そう僕は言われてしまったのだった。 
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