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子供が僕の服を汚してしまったので、現在僕は、女物の服を着せられていた。
可愛いピンク色にフリルのついたワンピースである。
どうしてこうなったと僕は涙目である。と、
「よく似合っているじゃないか」
「クロウ……だったら、クロウの服を寄こせ。そしてこのワンピースをクロウが着ればいいのだ!」
「残念だったな。俺の背丈では入らない。だが」
「だが?」
「そういえば俺の服を貸すという手があったのをすっかり忘れていた。まあ、似合っているから良いんじゃないのか?」
「……女物の服がにあってたまるかぁああああ」
僕がクロウに言い返した。
ここは武器屋の隣にある洋服屋だった。
武器屋の方は親父さんがやって、洋服屋の方が女将さんがやっているらしい。
なので内側が繋がっており、そこには住居スペースがある。
その内の一つ、客間に案内されていた僕達。
リゼルはまだ武器が見たいからと武器を見ている。
そんなわけで服を渡されて、こうやってお茶菓子付きでお茶を頂いているわけだけれど、そこで丁度女将さんであるリーサさんがやってきて目を瞬かせて、
「もしかして、男の子だったんですか? 私った ら可愛い女の子だと思って……すみません。すぐに他の服を持ってきますね」
「……いえ、クロウから借りるのでいいです」
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