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魔法を使って脅かしていただけですと話すと、何だ遊んでもらっていたのねとリーサさんが笑う。
とりあえずリーサさんのご主人の服を見ると……。
「お、大きすぎて着れない……」
「やっぱり俺の服の方がいいんじゃないのか。これは俺でも大きいぞ?」
「……うん、そうする」
ということで、クロウのシャツを着る僕。
ちょっとブカブカで肩の所が出てしまったり、手の先の辺りが袖から出る程度に大きいけれど先程のものよりもマシだ。
そう思っていると、クロウが何処か複雑そうな顔をしている。
何でだろうと僕が思っているとそこで、
「それで、折角だしもう少し武器を見ようか」
「やっぱり弓とかいいよね!」
「……よし、まずはトゲ付き鉄球から見てこようか」
「い、いやだぁあああ」
悲鳴を上げる僕だがクロウに連れて来られて、トゲ付き鉄球の場所に連れてこられる。
嫌だと思うのだ。
凄く嫌なのだ。
なのにこの丸い球体が、円錐形の刺が、僕を誘うようにこっちだよ~こっちだよ~と言っている気がする。
だがそれは全て僕の気のせいなのだ。
というか気のせいであって欲しい、そう僕は願うのに僕はその武器に抗いがたい魅力を感じてしまう。
待つんだ僕、ここでそんな誘惑に乗っては……ああ、でも……。
そんな葛藤を抱えている僕から離れた場所で、何かが倒れる音と破ける音と共に、悲鳴が聞こえたのだった。
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