巨大すぎる力封じられる

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 何事かと思って見に行くとそこには、トトとリリの二人の子どもとリーサさんが泣きそうになっていた。  しかもリーサさんは怒ったように子供達に、 「どうするの、この服は明日までに作らないといけないドレスじゃない! ああ……」  そこには淡い紫色の布で作られたドレスが無残にも破れている。  どうやら作りかけのドレスを子供達が破ってしまったらしい。  しかも納期が迫っているらしい。  これから縫い直さないと、布はあるからと慌てるリーサさん。  そこで何か音がした。  ぴろりろり~ろり、といったような音で、同時に丸められて、筒状になった紙がクロウの頭の上に落ちてくる。 「あのジジイ、どうして俺の頭の上に落としてくるんだ」 「? それは何なの?」 「これがクエストだ。これを一つづつクリアしていけばいいんだ」 「こういった形で現れるんだ……それでそこにはなんて書いてあるの?」  僕は背伸びをして覗くとそこには、 「課題:ドレスを作るお手伝いをして、納期を間に合わせよ……これだけ?」 「そうだ、こういった細々とした雑用のようなクエストをこなしていかないといけないんだ。さて、それでイズミは何か案はあるか?」 「クロウには何か案があるの?」 「俺が思いつくのはこの家以外の時間を止めるくらいだな」  思いっきり力技で解決しようとするクロウに僕は、 「も、もう少し良い方法ないかな。何だか凄い魔法に聞こえる」 「それはそうだろう……痛い」  そこで空からまた紙が降ってきてそこには、 「但し、クロウの魔法は禁止。知恵と勇気を振り絞るのじゃ! というわけで、折角なので力を十分の一になるように封じておいたyo!……あのジジイ」 「え、えっともしかして今のでクロウは力を封じられたの?」 「……油断した。だがこれなら範囲設定をすれば……」  そうぶつぶつと呟きだすクロウに僕は手を上げて、 「僕に考えがあるよ。ようは、ドレスを作るのを効率化させればいいんだよね?」 「……そういった考えもありか」 「うん、だから僕は……僕のチートで、“ミシン”を創りだしてみるよ!」  そこで僕はそう提案してみたのだった。
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