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「わざわざ意味深な言い方しなくていいじゃないか」
「イズミの不安そうな顔を可愛いなと思っただけだ」
「……このドSが」
「というのは冗談で、この世界の事を本当にイズミはよく知らないんだな。あのジジイに聞かなかったのか?」
「そこまで詳しくは」
「そうか。ふむ、なるほど、これからは知らないのをいい事に色々と出来そうだな」
何をする気だと僕は聞こうとした。
だってクロウがやけに楽しそうだったし。
だがそこで問いただそうとする僕を邪魔する人物が!
「それよりも、明日その原因を探さないといけないみたいだけれど、楽に見つけられそうな道具は、イズミには作れないのか?」
リゼルがそう僕に提案してくる。なので、
「うーん、そもそも僕の世界に“魔法”は存在していないから、そういうものは作れるのかな?」
「イズミ、それっぽいものって、イズミの世界にはないのか?」
つまりその何か変なものを探知するレーダーのようなものがあると良いのだろうか?
でも魔力って反射するのだろうか等と考えて、そもそも魔力ってなんだ? エネルギー? となって……よく分からない僕は、諦めて普通に“魔力探知レーダー”なるものが出てこないかなと思ってスマホで検索してみた。
出てきました。
「あるみたい、魔力を探知するそういった装置」
「本当か! イズミ。よし、それを使って楽にクエストをクリアしよう」
リゼルがそんなやる気のない言葉を口にするが、そこでシオンが、
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