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「リゼル、やはりここはリゼルのこれからを考えて、イズミには便利な道具を作ってもらうのを止めてもらいましょうか」
「な、なんで、楽な方がいいじゃないか」
「リゼル、いつまでも私やイズミがお手伝いできるわけではないのですよ?」
「じゃあ、シオンが僕のお嫁さんになれば一生面倒を見てもらえる?」
リゼルがいい事を思いついたと、目を輝かせてシオンを見る。
それにシオンは微笑み、
「やはり私はリゼルを甘やかし過ぎているようです。これからのクエストは一人で頑張りましょうね?」
「そ、そんな、待ってよシオン!」
慌てて止めに入るリゼル。
そんなリゼルの頭をシオンが優しげに撫ぜている。
それで、リゼルはトロンとしている。
僕はリゼルはシオンが大好きだなと思っているとそこでクロウが、
「それでその、ナントカレーダーは何が必要なんだ?」
「ええっと、“モガ石”“パラタ金属の鉱石”“ミリア草”“ノコット貝の貝殻”そして……クロウの“髪の毛”」
僕は無言でクロウを見上げた。
クロウは僕から逃げ出そうとした。
だがそんなクロウを僕はすぐ側のベッドに押し倒して、
「ふふふ、残念だ。クロウの髪の毛を頂くとしよう」
「止めろ、ハゲる、嫌だ!」
「大丈夫だ、ちょっとだけだから。ちょっと抜くだけだから」
「おい、今ガシっと俺の髪を握りしめ、ああああああああ」
というわけで僕は、哀れに思ったらしいリゼルがそっと差し出してきたハサミを借りて、クロウの髪の毛を少し切ってもらう。
さくっと少しだけ奪っただけなのは、抜くのは何となくこれはちょっと酷いかなと思ったからだった。
そしてクロウの上から僕が退くと、
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