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「ふう、恐ろしい目にあった。異世界人は凶悪だな」
「だってこれがないと作れないし。でもなんでクロウの髪の毛が必要だったんだろう」
「一応、“神”みたいなものだからな、俺は。だから分かるんじゃないのか? そういった魔力の変化に敏感とか」
「なるほど……でもだったら、クロウを連れて行けば、分かったりしないのかな?」
「力を抑えられているし、俺の力を使ってズルをしたと思われても困るだろう」
「うん、クエストが無効になっても困るから仕方がないね。それで他の材料だけれど、この前倒した魔物の落としたものが幾つかあって、後足りないものは……」
「ああ、この材料は俺が持っているな」
クロウが必要な材料を差し出す。
しかも、リゼルとシオンも幾らか渡してくれて。
なので即座に魔力探知レーダーが作れてしまいました。
四角い板状の物が出来上がる。
その端の白くつるつるとしたボタンのような物に触れると、
「あ、この部屋の僕達の魔力の大きさが示されているみたい。僕はこの黄色い光で、クロウはこの黒くて大きい光……リゼルは、この小さい光でシオンの方が少し大きい?」
「! 僕の方がシオンよりも魔力が多いはずだ。それは壊れているんじゃないのか?」
「そ、そんな事を言われても……何か変化して表示されやすいのかな?」
「く、使いものにならないかもしれない」
「い、嫌でも試してみればいいと思う。それから考えよう」
そう僕は、失敗作だと騒ぐリゼルと意味深に笑ったシオンに、なんとなーく、これは正確に表されているんじゃ……と思ったのだった。
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