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「え? ええ!」
「……折角だからイズミを抱枕にして眠ろうか。子供だから体温が高くて暖かそうだし」
「! 子供だからってなんだ……ちょっ、ッ胸のあたり触らないで、くすぐったい」
「……だから子供なんだ」
呆れたようなクロウの声が響いて、しかも胸の辺りをもぞもぞと。
僕は変な声を出しそうになる。
そこでその手が下に降りてきて腰のあたりを掴まれる。
ようやく変な感覚から開放された僕は、そこで怒りが湧いてきて、
「だから、僕だってもう……むぎゅ」
「煩いから、口をふさいでおこう」
今度は、腕を引っ張られて向かい合うようにさせられてそのまま抱きしめられる。
顔がクロウの胸に埋められて服で口をふさがれて何も言い返せない。
しかもガッチリ抱きしめられて逃げ出せない。
つまり僕はクロウに抱きしめられたまま眠る羽目になってしまいかけていた。
でも不思議と嫌だという感じはしなくて。
今日の疲れも相まってか睡魔が襲ってきて……僕はそのまま瞳を閉じて、眠ってしまったのだった。
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