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次の日の朝。
昨日の疲れもあって、後五分とお願いをしていると、
「分かった。起きないならキスするぞ」
「出来るものなら、やってみろ。……すやすや」
眠ボケた僕は気が大きくなっていたらしい。
だから心地よい眠りに再び落ちようとした所で、唇に温かいものが触れる。
体が熱くなるような感じるような初めての感覚。
僕、何をされているんだろうと思うのに、瞳には涙が溢れて誰がしているのかがよく見えない。
こんなキス僕は一度も経験がないはずなのに。
そこで唇を放されて、ようやく僕はゆっくりと呼吸ができるようになる。
そしてようやく僕は自分にキスしていたのが誰なのか気づいた。
「ふえ……クロウ、何をするんだ」
「挑発したのはイズミだろう? というか早く起きろ」
「うう……」
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