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八月十九日
朝から雨が降っている。
なんだか妖精さんの元気がない。どうしたのだろう。
今日は一緒にお出かけしようと思っていたけれど、またの機会にする。
夏休みはまだあるから焦らない。
妖精さんはぼんやりとしていた。手を差し伸べても無視された。ごきげんナナメ、とかならまだマシ。やっぱり調子が悪そうなのだ。
それもあって余計に、背中にはえている片羽が痛々しく思えた。
ないほうがいいのに。
間引き。不意にそんな言葉が浮かんだ。
そんなのダメ。ゼッタイにダメ。
妖精さんにどんな悪影響があるかわかったものじゃない。
どうして、そんな恐ろしいことを考えたのだろう。このかわいい妖精さんはわたしが守るんだから、そんなことするはずがないのに。
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