八月三日

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八月三日

 妖精さんは大分弱っていた。  一昨日から飲まず食わずなのだ。どうにかしないと。  考えた。わたしが具合悪いときになにを食べたいか。  というわけで、鳥かごを開け、いろいろな種類のお菓子とジュースを置いてみた。  ふらりと起き上がり、そして。  わ、食べた飲んだ。  小さく砕いたクッキーを食べてくれた。それと、オレンジジュースを飲んでくれた。ってか、そればっかり飲み食いして、他のお菓子には見向きもしなかった。  質素、というよりワガママだ。まぁなんにせよ、食べてくれたので花丸を進呈。  妖精さんがわたしを見上げている。  食べて少しは元気になったらしく、ニッコリと微笑んでくれた。だから、わたしも笑い返した。
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