八月九日

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八月九日

 今日は本屋へ行った。  ふと、ここの本屋で鳥の飼い方という本を買ったことを思い出した。 だったら、妖精の飼い方っていう本もあったりして。そう思い、探してみる。  妖精事典、なるものがあった。値段はバイトまるまる二日分。迷ったけど、少しでも妖精さんを知る手がかりになればと思い、買うことに決めた。  お気に入りの雑誌と一緒にカタカタチーン。ちょっと痛い出費だった。  家に帰り、かごの中に指を入れる。そうすると、妖精さんが両腕で指を包んでくれる。わたしと妖精さんとの挨拶みたいなものだ。  早速、妖精辞典とやらを読んでみた。  主食は木の実。おしゃべりとイタズラが大好き。基本的に死ぬことはないが、殺すことはできる。 ウソばっかり。
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