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◇ ◇ ◇
慎一郎の友人達が用意した店は、彼らの年齢やキャリアに相応しい、派手なところはないけれど落ち着ける雰囲気で、出てくる料理も外れがなかった。
そういえば過去に慎一郎に連れだって入った店に共通する。
秋良は旧友と談笑する彼をちらりと横目で見た。
今まで見せたことのない、打ち解けた表情を浮かべている。
当然と思う。けど、少しだけ、彼ら4人が羨ましくなる。
あなたにそんな顔をさせる人たち。今さら入り込むことはできないけれど、大切な友人を持てるあなた。
私がここにいるのを許してくれる人たち。
何の不足もない。
けど――
彼女の心の内のどこかに燻るような思いが残るのは、きっと三浦のことが頭から離れないからだ。
もし、ここにあの人がいたら、場は華やかなものになるだろう。
仲間外れだわ、私……
寂しい。
酔えないのも、寂しさを助長した。
宗像達から酒を何度も進められても、慎一郎が全てを引き受け、秋良には一滴たりともアルコールを飲ませなかった。
そりゃね。
過去、酒で彼に多大な迷惑をかけたことは認める。酒の失敗は大なり小なり誰でも経験するもの。彼女も様々な付き合いの中で飲み方も覚えた。
しかし、慎一郎は秋良に飲酒を一切許さない。
つまんないわ。
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