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「いないようでしたら、ぜひ、僕を誘ってください!」
越石くんが言った。
実行委員長としての場を盛り上げる最高の一言。
会場は笑いと乱れた拍手でいっぱい。
「行け!行け!!」
と、誰かが声を投げると、みんながそれに続いた。
動揺なんかしてる場合じゃなくて
動揺するのも可笑しな話。
私は意図的に唇の両端を持ち上げて笑顔をつくる。
「残念ですが、これはデートに使わせていただきます」
「フラれましたーーー!!」
越石くんは大袈裟に演技をして
私の顔は見ずに
その場を上手くまとめて次の数字へとみんなを誘導した。
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