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「…ごめんね」
私の言葉に吉野くんは顔色を変えた。
「…どういう…意味…?」
吉野くんは何かを怖がっているみたいだった。
「…ずっと…待たせて」
私がそう言うと、吉野くんは肩を落とすほどにホッとして息を吐き出した。
私は彼から身体を離す。
「残暑会が終わるまで…って約束だったもんね」
吉野くんが私を見つめる。
「…じゃあ…今日…」
私は笑った。
「…いいよって言いたいところだけど、実行委員のみんなはそれぞれの部署の先輩たちに連れていかれるよ?」
「そんなの…」
「そんなのって、言わないの。先輩たちからの誘いは出来るだけ受けた方がいいよ。吉野くん、今日、頑張ってる姿たくさん見てもらえたし、それなのに断ったら台無しになっちゃう」
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