Bye-me-tender

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初夏の陽気も長雨のインターバルを経て、次第に灼熱の太陽が照りつける季節となった。 亜矢の成績も相変わらずのDとCを行ったり来たり。 正直、俺は焦っていた。 亜矢以外のE組のみんなはなんとか『選抜試験』を切り抜けられそうだ。原川に西妻、与野と久司がB判定をとらなきゃいけないが、あいつらは成績も悪くないから、余程の事がない限り無事に乗り切ってくれるだろう。 …後は、亜矢だけだ。 「金木田先生、西森君はどうですか?」 「ええ、彼は今、必死に頑張っていますが…なかなか厳しいかと」 「そうですか…」 放課後の教職員会議ではいよいよ来月に迫った『全国選抜総合試験』について各自担任が報告を行っている。 「リスク対象者は5名ですか。我が校の顔に泥を塗らぬよう、最後まで生徒の指導をお願いしますね」 穏やかそうな声とは裏腹に厳しい表情の見え隠れする教頭の締めの言葉に俺達担任はそれぞれの「はい」を発した。 「高森先生」 廊下に出るとすぐに金木田先生に呼び止められ、彼はにっこりと笑ってこちらに近づいてきた。
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