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「医者が髪を染めちゃいけないって法律はないね。僕は小児科だから、この頭は子供たちに受けがいいんだよ」
景斗はうさんくさげにドリトルの悪趣味な柄シャツと頭を見つめた。
「でもどうして? なんで俺の力のこと……」
「夏月と君の話から君も能力者だってわかっていたけど、どんな力なのかまではわからなかったからね。試させてもらったんだ」
「ナツキ? 誰?」
「君の先輩だよ」
ドリトルはハンバーガーを一口で食べてしまった。口の脇についたケチャップを長い舌でなめる。
「萩原先輩? ナツキって言うの?」
「知らなかったの?」
「教えてくれないんだもん……」
「夏の月って書くんだよ。きれいな名前だろう? 本人は女みたいだって嫌がっているけどね」
「夏の月……」
景斗は呟きながら萩原の―――夏月の白い横顔を思い浮かべた。ぴったりだと思う。と、そこで景斗は重要なことを思い出した。
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