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見慣れた街並み、通勤するサラリーマンや通学中の学生に紛れて私は学校に向かっている
今日はとてもいいお天気
うふふ、今日はいい出会い日和になりそう
私はごく普通の女子高生、美坂るり17歳
ちょっぴり天然でドジっ子、そして
「あいたっ!」
ズテーンと派手に転けてしまった
段差も何もないところでつまずいてしまったみたい
うぅ~と言いながら立ち上がり、スカートの汚れをとる
周りの視線を少し感じるけど気にしない
むしろ、もっと私を見てちょうだい
おっと、失礼
私は運動音痴でもある
どこにでもいるような女子高生の私
あ、だけど顔はとても可愛い。主人公だからね
冒頭でも言った通り、今日はいい出会い日和になりそう。いや、いい出会い日和にするの
ふと、腕時計に目をやると時刻は8時40分
は、8時40分…!?
「やだ、もうこんな時間!急がなきゃ遅刻しちゃうーっ」
せっかく早起きして髪の毛もメイクも決めたのに台無しになっちゃう!
それに、今日はいつもの通学路じゃなくて少し遠回りして繁華街から行かなきゃいけないのに
何故なら街の不良にナンパされなきゃいけないからね
私は駆け足で繁華街へと向かった
いつもの通学路とは違う道
主人公なんだからいつもと同じ道を歩んではだめよ
変則的なことをして運命をこの手で掴み取らなきゃいけないんだから
繁華街に着くと学生の姿は少ない
まだ朝も早いから開いてるお店は少ないし、歩いてる人も少ない
「あ、いたいた」
キョロキョロしながら歩いていると街の不良2人組を発見
こんな朝や早くから行動するなんて真面目なんだか不良なんだかわからないけど
そんなことはどうでもいい
私に声をかけて少し困らせてくれたらあなたたちはそれで十分
ごく普通の女子高生を装っ…ごく普通の女子高生だから前から歩いてくる不良に少し怯えつつ私は進む
不良2人組とそろそろすれ違う
不良2人組は何やらこそこそと話してるみたい。きっと私に声をかけようと相談しあっているのね
さぁ、私に声をかけるのよ
「ねーねー、お姉さん。今から俺らと遊びに行かない?」
ほら、きた!ごく普通の女子高生な私だけど顔はとても可愛いから声をかけられちゃうよね
モテるって困っちゃう
「きいてるー?おーい」
やだいけない。自我に浸りすぎて不良のこと忘れかけちゃった。親切にお返事してあげないと
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