12  何してくれるんだ、もぉ! (続き)

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しかし、そんな俺の様子を運転席から父は見ていたようだ。 「潤平。挨拶は後でいいから、 車貸すから、その辺を案内してあげたらどうだ?」 なぜか妹が紹介した彼女に、短く挨拶をした父がボソリと提案してくる。 もう、父の横顔が仏のように思えた。 「そうだね」 短いが、これで俺たち親子は十分通じる。 そして、萎んだ俺の気持ちに微かな安堵が点った。 だが、当然ながら彼女は困惑したようだ。 「でも、それじゃあ……」 しかし俺は、こんな昼間からアイツらに晒されるのは御免だった。 だから、 「いや、暗くなったら見えなくなっちゃうし……」 まだ夕暮れも、つるべ落としというわけでもないが、 慌てて適当な言い訳を口にする。 それに、 「案内するっていっても大した所なんかないから、すぐに済んじゃうよ」 妹からまで変な促しもあり、彼女は、困惑しつつも納得してくれた。
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