12  何してくれるんだ、もぉ! (続き)

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こうして、取りあえず実家近くで父と妹を降ろし、 とにかく実家から離れたい一心で、俺は、そそくさと運転席に滑り込む。 しかし、 「あの、ここまで来たんですから、やっぱり……」 おずおずと助手席に乗り換えてきた彼女が、再び困惑顔になる。 だが俺は、ここはきっぱり言った。 「大丈夫です。気にしないで、行きましょう」 なにしろ、アイツら相手はすごく疲れるから、 あそこに居る時間は短いに限る。 第一、今日ここに来た目的はアイツらに会うことじゃない。 「だってほら、今日は、ここを見る為に せっかくのお休みに来てくれたんでしょ?」 そんな俺の言葉に、ちょっと考えるように彼女が俯く。 だから、 「それにたぶん、親父が上手くやってくれてると思いますから」 笑顔まで作ってみせる。 それで、ようやく彼女も頷いてくれた。
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