12  何してくれるんだ、もぉ! (続き)

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「なんの変哲もないヤツでしたよ。 数人の友達がいて、頭もスポーツも真ん中程度。 あの丘だって……。あぁ、あの向こうに見える丘に、 この辺りのデートスポットになってる場所があるんですけど、 冷やかしに行くだけみたいな」 そして、真っ直ぐに丘を見つめる彼女に「行ってみますか?」訊いてみる。 すると、彼女は嬉しそうに頷いた。 だが、デートスポットといっても、 大都会の高層ビルの展望台なんかに比べると、かなりショボイもんだ。 それでも、眼下に辺りを一望できるそこは、 やはり、あの頃と何も変わらない懐かしい風景でもある。 俺は、五分ほどで着いた駐車スペースに車を止め、 少し歩こうと彼女を誘った。
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