試練

1/1
前へ
/11ページ
次へ

試練

由衣を好きだと気付いたのが、俺が中2の頃だった。 もちろんそれまでも、由衣は俺にとって特別な存在だったけど。 俺ヤバイ?とマジで焦った だって、由衣小3だよ、ロリコンという言葉が頭の中をよぎる。 でも、由衣以外にはまったくそんな感情はわかない。 由衣が中学に上がった頃は本当にヤバかった。 だから、あまり二人で会わないように気をつけた。 由衣は寂しそうだったけど、仕方がない。 俺の様子に気づいた両親が由衣の両親、健一さんと由紀子さんに相談し 俺が18歳の時会議が開かれた。 「大樹くんは、由衣のことが好きなのか?」 「はい」 「真剣なの?時が過ぎれば変わるんじゃない?他に素敵な女の子は沢山いるわよ」 変わるわけがない。由衣以外の女の子はどうでもいい。 「俺は由衣が好きです。気持ち悪いかもしれませんが、もう何年も前からです。 絶対に気持ちは変わりません」 「・・・・・・そうか、変わらないか」 「大樹くん、一つ約束してほしい。由衣が二十歳になるまでは手を出さないと。それまで気持ちが変わらなければ、由衣を持ってけ」 「本当ですか?わかりました、必ず守ります」 こうして7年にも及ぶ試練の日々が始まった。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加