金科玉条

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ヒロトの中で、女装している時は亜美。 男の格好をしていたら、自分としている。 その「縛り」があるから演じられるのカモ。 「なら、ヒロトから亜美に伝えてくれるか? 『亜美ちゃんが良ければ、話をしませんか?』 って、な。無口な娘だったんでどうか知らんが」 ヒロトの作り上げた「縛り」に 「下らないから辞めろ」と横槍を 入れるのは、ヒロトの気持ちを無視している。 ヒロトが徹底して守るならば、 「ノリ」だと思って付き合うのが 相手の心を理解した付き合いだ。 礼節を弁えて、礼に応じる。 これが、日本の美徳なのだ。 「それは無理かも。彼女は無口だから…あっ、 メールに入れたらどうだ?人を介して言うより 直接言った方が、気持ちが伝わるだろ?」 彼女に告白するにしても、 他人の口を通して伝えるよりも 直接、彼女に伝えた方が伝わる。理論。 「それも、そうか…。でよぉ。 話変えるケドさ、なんでヒロトは 女装男子という選択肢なんだ?」 現在では、多様化しているとは言え オカマなりニューハーフも芸能人の 影響もあり、市民権を獲得している。 女装男子なんて、好奇の目しかない 選択肢を選ぶ事に得があるように思えない。
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