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築地にて
築地に向かって疾走するパトカー。その後を追うマスコミの車とバイクの群れ。
一群はやがて魚市場の横に停車。次々に中に入っていく。
そこには既に警官隊が配備されており黄色いテープが張られていた。
「こちらです。」
先に来ていた警官が今到着した警官の内、一番偉い警官であろうかに方向を示す。
そこにはマグロが入れられる大きな発砲スチロールでできた箱の山があった。
「すぐに捜索にかかれ。」
警官たちが箱を蹴散らかしながら中を確認していく。
「この箱の中に何かが入っています。」
大きなトロ箱を台車に載せて運んでくる。
「よし、注意して開けろ。何か仕掛けがあるかもしれないからな。」
大きな蓋を開けると、そこには。
まるまると太った人間が真っ裸で横たわらされていた。
「『寿司四枚』の社長に間違いありません。」
「生きているのか?」
「はい、呼吸も心拍も確認できます。ただし何か薬物を嗅がされているのでしょう、意識はありません。」
そしてその裸体を覆うように「テンプル・シュライン」と書かれたのぼりがまかれていた。
「またしてもテンプル・シュラインの仕業か。」
警察官は呟いていた。
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