episode198 お仕置きの時間

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まばゆいばかり ブロンドのクリスチャン。 皮肉屋な薄い唇と 退廃的な深い緑の目。 「――ほら、もう逝くぞ」 征司が寸でのところで 乱暴に指を引き抜くと。 「アアっ……」 一瞬頭が真っ白になって 僕はわなわなとその場に膝から崩れ落ちた。 「寸止めで苦しいか?」 頭の上から落ちてくるシャワーが 屈辱に悶える泡を洗い流してゆく。 「ウウ……あんたなんか大嫌いだ……!」 どうしようもなくやるせない気分。 駄々っ子のようにわめいて僕が泣き出すと。 「冗談だよ――来い」 征司は優しく僕の身体を抱き起こし 今度は浅く湯の張ったバスタブの中へ引きずり込んだ。
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