episode198 お仕置きの時間

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事の終わり――。 湯を張り直し疲れた身体を お兄様の上に横たえると。 「見てよ……これ」 文句たらしく僕は言った。 「メビウスの輪だな」 「ふざけないで」 僕の手首には見事一周 赤い輪っかが出来ていた。 「痛むか?」 「お兄様っ……」 征司は再び捻り上げるふりして 僕の手首を掴んでおきながら。 「冗談だ」 両手首の内側に そっと口づけて笑った。 「でもよかったろ?」 「ん……はい」 いつもはきちんとセットされた髪が乱れ その表情は普段より幼くも艶めかしい。
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