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事の終わり――。
湯を張り直し疲れた身体を
お兄様の上に横たえると。
「見てよ……これ」
文句たらしく僕は言った。
「メビウスの輪だな」
「ふざけないで」
僕の手首には見事一周
赤い輪っかが出来ていた。
「痛むか?」
「お兄様っ……」
征司は再び捻り上げるふりして
僕の手首を掴んでおきながら。
「冗談だ」
両手首の内側に
そっと口づけて笑った。
「でもよかったろ?」
「ん……はい」
いつもはきちんとセットされた髪が乱れ
その表情は普段より幼くも艶めかしい。
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