episode198 お仕置きの時間

28/30
前へ
/30ページ
次へ
「ねえ」 「ん?」 「お兄様も……今夜のパーティー一緒に行きませんか?」 やっぱり――。 この後クリスチャンと2人で出かけるのは 少し気が引けて。 「気楽なパーティーなんでしょ?」 僕は征司にもちかける。 ところがだ。 「そいつは無理だ。俺は病み上がりで体力がない」 「嘘……!あんな……」 あんなに豪快に暴れておきながら――よく言う。 「あんななんだ?」 「いえ……」 うそぶく王様を前に 僕はぐっと言葉を飲み込んだ。 「無理に出て行ってまた違うウィルスに罹りでもしたらどうする?」 征司は今更よろめくようにして湯から上がると。 裸体にバスローブを羽織り大仰に肩をすくめた。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

141人が本棚に入れています
本棚に追加