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「ねえ」
「ん?」
「お兄様も……今夜のパーティー一緒に行きませんか?」
やっぱり――。
この後クリスチャンと2人で出かけるのは
少し気が引けて。
「気楽なパーティーなんでしょ?」
僕は征司にもちかける。
ところがだ。
「そいつは無理だ。俺は病み上がりで体力がない」
「嘘……!あんな……」
あんなに豪快に暴れておきながら――よく言う。
「あんななんだ?」
「いえ……」
うそぶく王様を前に
僕はぐっと言葉を飲み込んだ。
「無理に出て行ってまた違うウィルスに罹りでもしたらどうする?」
征司は今更よろめくようにして湯から上がると。
裸体にバスローブを羽織り大仰に肩をすくめた。
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