episode198 お仕置きの時間

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「クリスチャンがこう言ってた」 「え?」 バスタブで無防備に寛ぐ 僕を見下ろし。 「おまえが一緒に来るなら欲しがっていた物をやるとさ」 鋭い目が光る。 「……欲しがっていたもの?」 心当たりはなかった。 だからとぼけたわけじゃない。 「特別な――真珠の指輪だそうだ」 「っ……!」 すっかり 忘れていただけで。 「お兄様……そ、その件は……」 だからこれは ただのパーティーじゃない。 「ロンドンの夜を楽しめ。ただし――」 首を掻っ切る真似をして 「亡者どもの血にまみれてな」 征司が腹黒い顔で笑った。 「ひぃっ……!」 ――仕組まれたお仕置きなんだ。
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