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「みず……ぼうそう……」
やっぱり――。
「屋敷に来てすぐ姪っ子のがうつったんだ」
クリスチャンは
笑いを噛み殺しながら言うけれど。
「子供みたいな病気に罹って恥ずかしいから誰にも言うなって征司が……」
「おい、黙れ……!」
「ああ、ごめんごめん」
それでもやっぱり
堪えきれず吹き出した。
「それじゃ……」
「ああ。本宅にはまだ水疱瘡に罹ってない双子がいるしね。何より本人が『こんな姿誰にも見られたくないっ!』て大騒ぎするから。僕がこっちの屋敷に連れて来て一人で面倒見てたんだよ」
それが
泣く子も黙る天宮征司の
秘密だったってわけか――。
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