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どさくさに紛れ
着衣を正しながら
「へえ~それはそれは。本当に大変でしたね、お兄様」
「おまえっ……何がおかしい!」
「大丈夫ですよ。水疱瘡なら僕もほんの小っちゃい頃に罹っていますから」
こちらも弱みを握ったとばかり。
「なんでクリスチャンと一緒に、僕もお兄様のお世話をして差し上げられます」
僕はにんまりとほくそえむ。
「でも良くなってきた方だよ。昨日までは全身ぼつぼつで見れたもんじゃなかった」
「わお。水玉蛙も真っ青だな」
「おまえら……」
手始めにクリスチャンと一緒に
弱り切った王様をベッドまで運んだ。
それから――。
「悪いけど、お兄様と2人きりにしてくれるかな?」
僕はクリスチャンに言った。
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