九.空色のネックレス。

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「よし、俺、これをラッピングして明日渡すよ」  駆は僕を大事そうに抱えて、家に連れて帰った。  僕の持ち主は駆だけど、明日、ほたるという女の子の元に渡るらしい。僕は駆の部屋で赤色の柔らかい何かに包まれた。  きっと贈り物用に着飾られているのだと思う。 「あー、緊張するな。ほたる、喜んでくれるかな」  僕の視界は遮られているけど、駆の声は届いていた。ほたるにプレゼントすることへの緊張が伝わってくる。  喜んでくれるのかな、いらないって言われたらどうしよう。もらってくれても、つけてくれなかったら悲しいな。こんな風にこの日はずっと、彼はネガティブなことを口にしていた。  きっと彼は、ほたるという女の子の事が大好きなんだろう。だからプレゼントを渡すだけでこんなに悩むんだ。彼と一緒にいた時間は短かったけど、彼の気持ちを知るには十分だった。
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