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僕は駆の手からほたるの手へと渡る。彼女の手は駆とは対照的にひんやりと冷たくて、とっても気持ちいい。ほたるはプレゼントの封を開ける。
僕の視界がゆっくりと広がる。赤色しかなかった世界から、色鮮やかな世界へと飛び出していく瞬間。
「うわあ、空とおんなじ色のネックレスだ! しかも、陽咲ちゃんとお揃い!」
包みから開放された僕が最初に目にしたのは、とっても嬉しそうに笑っている女の子だった。
大きくて少したれ目の瞳は、うっとりするように僕を見つめている。真っ白な肌は桃色に染まっていた。赤茶色の髪はゆらゆらと風になびいている。人形のように可愛くてプレゼントを心から喜んでいる女の子が、僕の新しい持ち主のようだ。
「良かったね。ほたる、とっても嬉しそう」
僕の気持ちを代弁するかのような陽咲の言葉。駆はとっても満足げに笑っていた。
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