九.空色のネックレス。

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「わ、駆もう来ているし! 待たせてごめんね!」  ほどなくして、自転車に乗った陽咲がやってきた。陽咲は二人を見て慌てている。 「陽咲ちゃん、全然待っていないから大丈夫だよ。さあ、河原に行こう」 「おう! じゃ、いつものフォーメーションになるぞ!」 「オッケー!」  いつものフォーメーションとは、三人が自転車で走る時の順番のことだ。先頭は陽咲、二番目にほたる、そして駆と続く。どうしてこういう並びなったのかは分からないけど、たぶん陽咲と駆は運動神経が良く、ほたるが運動音痴だからだと思う。  ほたるはちょっとどんくさくて、自転車に乗るのも得意じゃない。だから陽咲と駆は彼女を間に挟んで走ることで、ほたるを守っているのだと思う。
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