十.新しい友達。

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 奏が引っ越してきてから、学校内は彼女の話で持ちきりだった。毎日毎日飽きることなく、新しい噂が出ては盛り上がる。奏はそんな環境に溶け込めるわけもなく、ずっと一人で過ごしていた。  そんな彼女の環境を変えたのは、他の誰でもないほたるだった。 「そんな根も葉もない噂をするのは止めようよ。そんなに気になるんだったら、奏ちゃんに何が本当なのか聞いたらいいと思う!」  ほたるは、クラス全体に届きそうなほどの声でそう叫んだ。ほたるのこんなに大きな声は初めて聞いた。ちょっと驚いたけど、僕は誇らしく思った。  ほたるは周りの噂に耳を傾けない。先入観にとらわれたりしない。公平に物事を見ることが出来る、まっすぐな心を持っている。
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