十一.中学校。

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 身だしなみは気をつけてはいるが、化粧に興味はなさそうである。僕も、ほたるに化粧は必要ないと思う。彼女は今のままでも、他の誰よりも美しいんだもの。 「それじゃあ、また明日ね」   授業が終わると、ほたるは下駄箱へと急いだ。ほたるが早歩きしているのは珍しい。きっと駆を待たせてはいけないと思っているのだろう。  下駄箱で学校指定の白い運動靴に履き替えていると、同じく靴に履き替えた駆が話しかけてきた。 「よっ。一緒に帰るのは小学校以来だな」 「うん! ほたる、楽しみで授業が頭に入らなかったよ」 「なんだそれ、大げさだな」  二人は並んで歩き始める。懐かしい空気が二人を包む。他の生徒達は二人を見てこそこそと話をしているようだ。男女が歩いている=付き合っているように見えるのだろう。  
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