十一.中学校。

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「すっげー見られているな」 「そう? ほたるはあんまり気にならないけどな」 「ほたるのそういうところ、うらやましいよ」  駆は居心地が悪そうだった。人気があるだけに何かと注目されるのかもしれない。何かに縛られているわけではないけど、駆の体は窮屈そうに見えた。  二人は静かに通学路を進んでいく。ぽつぽつとした会話はあるけれど、沈黙の方が長かった。なぜだろう。周りの目が気になっているからかな。 「サッカー部は楽しい?」 「うん、楽しいよ。毎日部活のために学校行っているようなもんだよ」 「そっかぁ。ほたるもまた駆くんがサッカーしているところが見たいな。とってもカッコいいもの」 「……ありがと。ほたるは直球で褒めてくれるよな。少しは陽咲も見習えばいいのに。あいつってば、いつも文句ばっかり言ってさ」  そういう駆も陽咲の文句を言っているが、なぜか楽しそうだ。その文句には悪意はなく、愛情すら感じられる。  
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