十一.中学校。

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  「今日だってさ、一緒に帰ろうって誘ったのに他の友達をとりやがって」 「そっちの約束の方が先だったんだよー。今度は一緒に帰ってくれるはずだよ」 「ま、そうだな」  二人の間で一番盛り上がったのは陽咲の話だった。きっと二人とも、彼女が一緒じゃなくて寂しいのだろう。本当に仲が良くてほほえましいな。  陽咲がいるのといないとでは空気が違う気がする。やっぱり僕達は太陽に照らされないと、元気が出ないらしい。 「もうお家に着いちゃった。駆くん、また一緒に帰ろうね」 「おう。じゃあ、旅館の手伝い頑張ってな」  旅館前で駆と別れたほたるは、いつものように裏口から入っていくと、自分の部屋にではなく更衣室に向かう。  
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