十一.中学校。

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 ほたるは恥ずかしいみたいだけど、僕はとっても似合っていると思う。 「そういう謙虚なところがまた天使っぽいわよね。お客様の間でもとっても人気があるんだから」 「そんな、本当にほたるにはそんな言葉はもったいないです! 仕事も全然出来ないですし……」 「手伝ってもらえるだけでありがたいわよ。仕事なんて、いやでもそのうち覚えるしね」  この旅館の仲居さんは良い人たちばかりだ。皆、ほたるを温かい目で見守って、優しく仕事を教えてくれる。  ほたるは、学業と旅館の手伝いの両方を一生懸命に頑張っていた。母親の仕事を手伝いたい、少しでも母親との時間がほしいという思いが原動力となっている。 ……でもやっぱり、どんなに頑張っても、母と娘の関係は変わらない。  
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