十一.中学校。

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「優子さん、ほたる……私なら大丈夫だから。その通りだと思うし、まずは話し方を変えてみる。接客業だもん、一番大事なことだよね!」  泣いてもいい場面。感情を爆発させてもいい。そのくらいのことをされているのに、ほたるは決してそうしない。せっかくのテストがぐちゃぐちゃになるくらい手に力を込めて、足で踏ん張って、辛い気持ちを表に出さないようにする。 「じゃあ、私、もう行くね。ゆかりさんのお手伝いもあるし」 「ほたるちゃん……」  心配そうな顔をしている優子さんに手を振って、ほたるは事務室を出た。ゆかりさんの所には行かず、自分の部屋に向かう。  こんなことが今まで何回あっただろうか。母親と話す話題を見つけて、チャレンジして、冷たくあしらわれる。  そして一人で泣いて、無理やり笑顔を作って、皆の前に姿を見せる。  
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