十三.卒業。

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「ほたる、鼻が真っ赤だな。もしかして、俺のこと待っていた?」 「ううん、そんなことないよ。人がいっぱいいたから、なかなか駆くんのところまで行けなくて。……ボタン、全部無くなっているね。プレゼントもいっぱい。駆くん、とっても人気者だね」 「ああー……ボタンな。運動場に出たら女子達に囲まれて、もらわれていったよ。ほたるも、欲しかった、かな?」  どうやら、女の子は好きな男の子の制服のボタンをもらうという文化があるらしい。学校で一番人気のある駆のボタンは、あっと言う間に売り切れたようだ。  駆は本当に気が利かないヤツだ。一つだけでもとっておけばいいのに。
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