十三.卒業。

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「すいません、陽咲ちゃん、帰ってきていますか?」 「まだ帰ってきていないのよ。良かったら家で待っていく?」 「大丈夫です! ありがとうございました」  陽咲と駆の家に行ったが、二人はまだ帰っていなかった。中学校にまだいるのか、どこか寄り道しているのかは分からない。ほたるは二人を探しているのか、近所を歩いて回る。  しばらく歩いていくと、道の先に小さな公園が見えてくる。ここは僕が初めてほたると出会った場所だ。公園に近づいていくと、男女の話し声が耳に入ってきた。これまで何度も耳にしてきた、大切な人たちの声だ。  ようやく二人を見つけたほたるは、意気揚々と進み、公園の中に入っていこうとした。  しかし、二人の会話からある言葉が聞こえた瞬間、ぴたりと歩くのをやめた。
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