十四.別れの日。

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 二人の会話はとてもリズミカルに進んでいく。口げんかをしているように聞こえるけど、とても楽しそうに見える。……ほたるは、その楽しそうな二人を見て辛くないかな。 「二人は本当に仲良しだね。見ているだけで、元気になるよ」 「えー、そう? でも、ほたるが元気になったのなら良かったよ。早く元気になって、三人で遊ぼうね」 「うん、ありがとう。お見舞い来てくれて嬉しかった」 「お大事に。じゃあ、俺たちはそろそろ行くから。あんまり長居するのも負担だろうし」 「うん。二人とも、ありがとう。またね」 ――二人がほたるの部屋を出て行ったあと、彼女は再びベッドに横たわった。 「やっぱりあの二人、お似合いだなぁ……」  彼女は今にも消えてしまいそうなほどの小声でそう呟いた。
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