十四.別れの日。

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 しばらく待ち続けて、僕はもう、ほたるがこの世にいないんじゃないかと思った。そんな不吉なことは考えたくなかった。  でも、それ以外に、ほたるが数か月も部屋を空ける理由が思いつかなかったんだ。  久しぶりに、人間が僕の体に触れた。それは、僕が一番嫌いな人間だった。  その人は僕を持って、優子さんに見せた。 「ねぇ、ほたるの部屋に入ったら、これがあったのだけど」 「ああ、そのネックレスは……陽咲ちゃんとお揃いのものですよ」  優子さんは、ほたるの母親にそっけなく返事をした。優子さんは僕についてもっといろいろ知っているはずなのに、情報を与えることはしなかった。  きっと、この人にそんな価値はないと思ったのだろう。
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