十四.別れの日。

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 僕は、そんな人間に連れられて、ある建物にやってきた。とても大きな病院で、沢山の人が通院している。  僕はほたるの母親に連れられて、ある病室までやってきた。そして、僕はそこで……再会したんだ。沢山の機械に繋がれたまま眠り続けている、大好きな人と。  ああ、君は、こんなところにいたんだね。でも、どうしてそんなところで眠っているの。  すぐにきっと、目が覚めるよね? そうしたら、また僕をいろいろな場所に連れて行ってね。 ……僕は精一杯、君に話しかけた。僕は全然学習しない。君にこの気持ちを伝えることなんて、出来ないって分かっているのに。 ――僕はずっと、ずっと、彼女に話し続けた。 ――でも君は、もうずっと、目を覚ましてはくれない。
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