十五.本音。

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「陽咲は何も悪くねーよ。それに俺、ずっと前から気づいていたんだ。俺の中途半端な気持ちがほたるを傷つけたんだって。だからほたるは、あそこから飛び降りたんだって。 ……そう考えたら考えるほど、罪悪感で死にそうだった。ずっと寝られなかった。ご飯も喉を通らなかった。もうどうにかなりそうで……行きついた答えが、サッカーを辞めることだった。 一番好きなものを捨てる代わりに、許されたいと思ったんだ……」  駆の目からは大粒の涙があふれ出ている。ずっと一緒にいたけど、駆の涙を見たのは初めてだ。それに、駆がこんな風に考えていたなんて知らなかった。  いや、知らなかったのではない、聞こうとしたことが無かった。
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