十五.本音。

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 私たちはもう言葉すら見つからなくて、ずっと下をうつむいて泣いていた。静かな部屋には嗚咽の声だけが響いている。  柳さんは、ずっと黙って私たちを見守っていた。  その状態がしばらく続いた後、ドアをノックする音が聞こえた。どうやら、仲居さんが夕食を運んできたようだ。 「柳さま、これから夕食の準備を始めてもよろしいでしょうか」 「はい、大丈夫ですよ」  柳さんは入口に向かってそう言った後、私たちにボックスティッシュを差し出した。 「さあ、いったん涙を拭きましょう」  私たちは無言でティッシュを受け取り、涙と鼻水を拭いた。  ああ、また柳さんにかっこ悪いところを見せてしまった。もうこれ以上恥ずかしいものはない気がする。
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