十六.手がかりを求めて。

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 本当に今日は、いろいろなことがあった。  不思議な力に触れ、物にも記憶があるということを知った。私の身の回りにあるものも全て、私のことを見守ってくれているのかな。そう考えるとすごく不思議な気分。  ほたるに関する記憶はとてもショックですぐに受け止めることは出来ない。  でも、今はそれでいいと思う。ほたるのこと、自分のこと、駆のこと……。これから少しずつ、時間をかけて考えていけばいい。  今はやっぱり、柳さんの手伝いを一番に考えよう。もう一度柳さんのところに行って、お母さんに関する話を聞くんだ。 「よし。明日も頑張ろうっと」  風呂場でそう気合を入れた私は、明日のために早めに布団の中に入った。
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