十六.手がかりを求めて。

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「もしかして、これからどこかに出かける予定ですか?」 「ええ、ちょっとこの後コインランドリーに行こうと思いまして。あっついでに宮村くんの服も一緒に洗おうと思っているのですよ」 「えっ! 俺の服ですか? そんなの申し訳なさすぎます! 自分で持って帰りますから」 「大丈夫です。ついてですからね。それにもうカバンの中に入れちゃいました」  若女将が言っていたのはこの事だったのだろう。彼女が困り顔だった理由も頷ける。お客様に島の子供の服を洗濯してもらうなんて、本来ならあってはならないことだろう。  でも、この人は強引なところがあるから、何を言っても聞かなかったんだろうな。
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